声優を目指している人にとって、声優さんのお給料(報酬)は気になるところですよね。
今回は声優の給料の仕組みについて徹底解説します!
声優は給料制ではなく報酬制!



まず初めに、ここではみなさんにわかりやすいように「給料」という言葉を使用していますが、声優さんがもらっているのは「給料」ではなく「報酬(ギャラ)」です。
給料は毎月ある程度決まった金額が勤めている会社から支給されますが、報酬の場合は1つ1つの仕事により金額が違い、仕事をした分だけお金がもらえるというものです。
以前ものすごく売れた声優さんで給料をもらっていた方がいらっしゃいましたがこれはかなりの特例です。
この給料制ではなく報酬制なことによってどのようなことがあるのかご説明します。
【1】声優は会社員ではなく個人事業主
声優は会社員ではなく個人事業主になります。まあ、個人商店のようなものです。売っている商品は自分になります。
個人事業主なのでプロダクションに雇われているのではなく、プロダクションと専属契約を結んでいるのです。
ちなみに、同じようなしゃべる仕事でもアナウンサーさんとかはテレビ局に勤めているのでテレビ局の会社員になり、テレビ局から給料をもらっています。
そしてこのアナウンサーさんたちは仕事をどれだけしてもテレビ局にしてみればお金がかからないので、声優を使うよりはアナウンサーを使ったほうが安いということになり、このご時世ですから、番組ナレーションのお仕事はこれまで声優が使われていたようなものでもアナウンサーの方が起用されるるといったことが多くなってきました。
【2】毎年確定申告が必要
個人事業主になると確定申告が必要になってきます。
毎年年明けくらいにプロダクションから源泉徴収票が届くので、それをもとに税務署で確定申告手続きをします。
白色申告と青色申告というものがあり、それほど年収がない人は白色申告でもよく、年収が増えてくると青色申告をすすめられます。
この青色申告はけっこうめんどくさく大変なので、年収がだいたい500万円を超えてくるとわりとみなさん税理士さんにお願いしてやってもらっています。
【3】売れれば収入が増える
報酬制なので仕事をしなければまったくの無収入にもなりえます。
ですが逆に言えば、仕事をすればした分だけ収入が増えるということです。
声優業界では「数年爆発的に売れれば都内に家が建つ」と言われているほどです。
まあ、タレントさんなどの芸能人であれば1年でも爆発的に売れれば家が建ってしまうので「なんだ声優ってこんなものか。」と思われたかもしれませんが、普通の芸能人さんに比べるとあらゆる面でそこまでドロドロはしていないので精神的にはましな業界ではあるかと思います。
声優の給料徹底解説!


さて、ここからは声優の給料について解説します。
この金額からマネージメント料20~30%と源泉徴収10%が引かれます。
それに消費税を加えたものが手取り金額です。
式にすると、
計算式
報酬額ーマネージメント料ー源泉徴収+消費税=手取り金額
といった感じです。
【1】アニメーションの給料
預かり時→15000円
ランクあり→3万円前後~45000円
【2】ナレーションの給料
預かり時→15000円
ランクあり→2万円~上限なし
その人にしかできないというようなものであればテレビCM1本で100万円になることもあります。
【3】ゲームの給料
預かり時→15000円~
ランクあり→3万円~
別サイトで1ワード30円で人気が出たら1ワード200円とありましたがデタラメです。
もうそれはまともなプロダクションではありません。
わりとゲームのギャラはほかの仕事に比べると高額になることが多く、3万円とかはめったになく、たいてい4万円くらいからで量が増えると10万円とか15万円など普通にあります。
あと、パチンコやパチスロなども高額になることが多いです。
【4】イベントの給料
10万円くらい
注意:預かりやモノによってはこれよりかなり低くなる場合があります。
【5】声優の福利厚生
会社員ではないので声優に福利厚生はありません。もちろんボーナスや雇用保険なども一切ありません。
ただ、これを福利厚生とは言えないかもしれませんが芸能人保険というものはあります。
入っている人を見かけたことはありませんが国民健康保険の代わりに入る人もいらっしゃるようです。
ちなみに声優は会社員ではないので、社会保険ではなく国民健康保険に加入することになります。
年金も、会社員の厚生年金ではなく国民年金になるので会社にお金を半分負担してもらえず、将来的に会社員の人たちよりももらえる年金額がかなり低くなるということは覚悟しておかなければなりません。
声優のお給料の目安
預かり時 | ランクあり | |
アニメーション | 15,000円程度 | 30,000円~45,000円程度 |
ナレーション | 15,000円程度 | 20,000円~上限なし |
ゲーム | 15,000円程度 | 30,000円~ |
イベント | 10万円前後 | 10万円前後 |
売れっ子声優はどれくらいの給料をもらってる?

じゃ、ほんっとに売れてる声優さんだけ見てみよう!

では売れっ子声優になればどのくらいの収入が期待できるのでしょうか?
ここでは売れっ子声優さんの給料についてみていきましょう。
【1】年収1000万円以上稼げる声優はどれくらいいる?
年収1000万円以上稼げる声優は本当に一握りで、数百人規模の声優が所属する人数の多い大手プロダクションでも一ケタとかです。
ココがポイント
「え?数百人に一ケタはいるならいけるんじゃない?」と思われるかもしれませんが、素人の中の数百人ではなく、できる人が集まっている数百人の内の一ケタなので、かなり難しいことに変わりありません。
【2】年収1000万円以上稼いでいる人ランキング
年収1000万円以上稼いでいる人ランキングなるものがネット上にあったので掲載させていただきますが、年収は変動するものですので、おそらく過去のものもまざっています。ご了承ください。
そもそも仕事をしている本人ですら、アニメのお仕事のようにわかりやすいもの以外は報酬がいくらなのかもらってみるまでわからないこともままあるので、出演履歴からどうやって計算したのか謎ですが、見た感じわりと信ぴょう性は高そうです。
ですが、エンタテイメントの一環として鵜呑みにせずご覧ください。
1位 林原めぐみさん
現在もそうかはわかりませんが、カラオケの印税収入があったり、キティーちゃんのようなこの方にしかできない大きな仕事があり、今も安定した収入があるとのことです。
2位 野沢雅子さん
テレビCM1本の金額が高そうです。
やはりこの方もこの方にしかできないキャラクターがあり、そういった方は強いようです。またランクの面でも影響しています。
3位 堀川りょうさん
この方は現在は声優のお仕事というよりも、インターナショナルメディア学院という学校で学院長をされているので3位にランクインされているのだと思います。
4位 山寺宏一さん
言わずもがなのランクインです。
5位 水樹奈々さん
真っ先に浮かんだのがこの方でしたが5位とのことでした。
推定年収は1,600万円とありましたが、もっと稼いでいてもおかしくありません。
6位 蒼井翔太さん
CDなども出されている声優さんですが、推定年収は400万円~600万円程度という話があります。
【実は1位?】宮野真守さん
ウワサでは1億円という話もありますが、現実的に計算した場合の、7000万円ほどという話が有力そうです。
【正統派】沢城みゆきさん
推定ですが、2500万円~3500万円程度の年収だという話があります。
正統派の声優さんということで、演技力も高くお仕事もたくさんあるという印象です。
【3】売れっ子声優も稼げない時期はやってくる
どんな売れっ子声優さんでも稼げない時期は長い人生必ずやってきます。特に女性はそうです。
かなり波のある仕事だと言えます。
稼いでいない声優はどれくらいの給料か?
それでは逆に稼いでいない声優さんはどれくらいいるのでしょうか?
【1】稼いでいない人ってどれくらいいる?
声優全体でいえば、小さなプロダクションが増え年に1度も仕事がない声優が増えてきた今、ほとんどの人が稼いでいないと言えます。
ただ、仕事があるプロダクションかどうかでこの割合はかなり変わってきます。
仕事がある大手のプロダクションだと、預かり以外では食べていける人はだいたい半分くらいだと思います。
ちなみに小さなプロダクションになると生活していけるレベルの人が一人もいないこともあります。
【2】稼いでいない人の給料はどれくらい?
普通に仕事があるプロダクションで稼いでいない人の給料は年収数十万円くらいでしょう。
年に一回しか仕事がこないようなプロダクションの預かりとかだと、1年に1件の仕事で、マージンを引いて1万円くらいでしょうか。
そういうプロダクションの場合、仕事の契約金額も安い可能性があるので、1件5000円になる可能性もあります。小さなプロダクションが乱立している今、意外とこういう方は多いです。
どこかで1件1000円の仕事があるというのを見かけましたがさすがにそれは聞いたことありません。
というか「足代しか出ませんが良いですか?」とご本人も前もって聞かれて了承されているのだとは思いますが、本当にこういったひどいプロダクションが増えてきているのです。みなさんも気を付けてくださいね。
ココがポイント
力がない人だからそういうプロダクションにしか入れなかったと考えるべきなのか、プロダクションに力がないと考えるべきなのか、またはその両方なのかわかりませんが、プロダクション選びは本当に重要です。
声優の平均年収はピンキリ過ぎて出せない
ここまで読まれた方はうすうすお気づきだと思いますが、声優の平均年収なんてピンキリ過ぎて出せません。
ですが一応ご紹介しますね。これらをどう受け止めるべきかもあわせてご説明します。
ココがポイント
平均年収:350万円
平均月収:21万円~29万円
【1】お稽古雑誌などで紹介されている平均年収は参考にならない
ときどきお稽古雑誌などのいろいろな職業紹介で声優の年収や月収が書かれているのを見かけますが、あれは平均なんて出せないけれどどうしても書かざるをえなくて書いているのであってけっして正しいものではありません。
「そこそこ仕事をして食べていけている人ならこれくらいの金額かな~。」という感じでどこかのマネージャーさんがおっしゃたのだと思います。
声優業に足を突っ込んだ人ならこういうのを目撃すれば笑ってしまうくらい「平均」という言葉がとてもしっくりこない世界だということがわかります。
【2】今では声優も多種多様
今では声優も多種多様になり、ネット声優さんとかも出てきました。ですので、さらにこれらの声優さんも入れたら平均年収はますますわかりません。
声優として収入を上げるには?


ではいったい声優として収入を上げるにはどのようにすればいいのかをご説明します。これがすべてではありませんが参考にしてもらえればうれしいです。
【1】ナレーションも視野に入れる
アニメーションのお仕事よりもナレーションのお仕事のほうが効率が良いといわれています。
なぜならアフレコのお仕事は、ほかの現場と重なっていたりして特別に別録りにしてもらう場合以外は、最大でも1日に2本が限界です。
(たいてい10時から14時と16時から20時くらいと決まっています。実際にアフレコしている時間はこれよりも短い場合が多いですが、これは拘束時間といった感じです。)
それに比べてナレーションのお仕事は短ければだいたい1時間くらいの抑えです。実際に仕事をしている時間は10分くらいなんてこともわりとあります。
ナレーションの仕事は1日に何本もできるので、より稼げるというわけです。
ただ、アニメのお仕事はメインの役になってくるとイベントやゲームや歌や取材など、いろいろな展開があるので、売れてしまえばかなり稼げます。
ですが、どうしてもアニメの仕事だけだとそのうち頭打ちになることもあるので、やはりナレーションの仕事ができるようになっていたほうが良いといえます。
【2】コミュニケーションスキルを上げる
どこもそうかもしれませんが、特にこの業界は人間関係が重要です。
ココがポイント
それも「どう自分を上手にアピールできるか、力のある人に気に入ってもらえるか」が重要になってきます。
人見知りだけれど声優になれるかなと心配されている人も多いともいますが、意外と人見知りな声優は多いので、あきらめずにどんどん人の中に入っていき、ぜひこのコミュニケーションスキルを磨いてください。
【3】将来的には育てる側にまわることも考える
収入の間口を広げることも考えてみましょう。
例えば声優さんでも、ある程度の年齢になればプロダクションをつくったり、養成所や学校をつくったりしている人もいれば、声優を目指している人に教える先生をされているかたもけっこういらっしゃいます。
将来的にはそういったことも視野に入れて準備しておくのも方法です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は声優の給料についてご紹介しました。
人によって、また、プロダクションやマネージャーの契約内容によってはかなり金額に開きが出てくるのですが、一般的なよくある給料のラインはこのような感じです。
ぜひあなたも高額所得声優になれるようがんばってください!