地方や田舎に住んでいる人にとって声優になることは、東京周辺に住んでいる人に比べると何かにつけて大変です。
今回は地方や田舎に住んでいる人が「声優を目指すうえで不利になると言われている5つの理由」をご説明します。
また、あわせてその対策方法もご紹介するので、これを読んでダメだと決めつけずに、じゃあどうしたら良いのかを一緒に考えてくださいね!
<理由1>田舎には声優養成所がない!養成所は地方都市クラスから
まず最大の「田舎に住んでいることが不利な点」は、田舎には声優養成所がないということです。声優科のある専門学校も田舎にはありません。
声優養成所や声優科がある専門学校が存在するのは、大阪・名古屋・広島・福岡・札幌・仙台などの地方都市クラスからです。
ココがポイント
有名声優が運営して先生も兼ねているような、プロダクションの受け皿のない、またはかなり受け皿が弱い、ワークショップや習い事的な小さな教室のようなものでしたら、地方や田舎よりなところにもたまにあります。
ただ、やはり声優になろうと思ったら、まずはきちんとした声優プロダクションの所属オーディションを受けられるような、信頼のある養成所に通うことが必須です。
東京や地方都市に住んでいる人たちは通おうと思えば高校生でも養成所に通えて、より早い段階からスタートすることができるのに対し、田舎や地方の人はどうしてもスタートする年齢が遅くなってしまうので、より若い声優が求められているいまの時代、それは不利と言えるでしょう。
<理由2>田舎の人はいつ東京に出るか計算し準備せねばならない
田舎に住んでいる人は必ずいつかは東京に出なければなりません。
東京周辺に住んでいれば、まだ将来を決めきれていなくても、まだ声優という道を目指す覚悟ができていなくても、大学に行きながらなど、そのほかの道を歩みながら養成所に通うことができます。
ですが、田舎や地方に住んでいればなかなかそれも難しいです。
ココがポイント
対策としては、東京周辺の大学に通うために東京に出てしまうことです。
そして大学に通いながら養成所に通えば、保険にもなりますし、親の許可も得やすいでしょう。
<理由3>田舎に住みながら近くの地方都市の養成所に通う人も
田舎に住みながら、大阪や名古屋などの地方都市にある声優養成所に通う人もわりといらっしゃいます。
その場合はレッスンが週1日だったり、連続して週に2日ある養成所を選ばれています。
このように実家からの通いなら、引っ越し代や毎月の家賃、光熱費などの一人暮らしに必要な費用はかからないというメリットがあります。
ただそのかわりに、養成所に通うための新幹線代や長距離の電車代、日程によっては宿泊代などけっこうな額がかかってきます。
東京や地方都市などの声優養成所がある近辺に住んでいればこれらのお金はかかってこないことを考えると、これもやはり、声優養成所がない地方や田舎が不利な理由と言えるでしょう。
ココがポイント
ただしこの場合、もしプロダクションの所属オーディションに落ちても、それまでの生活スタイルを変えなくてもいいという大きなメリットがあるので、落ちた時のことも考え、そのほうがリスクが少なくてすむのなら、そういった選択肢も悪いわけではありません。
また、養成所は養成所だけでレッスンしていればOKというものではなく、そのほかの時間の練習がものをいいますし、それがプロダクション所属オーディションの結果にかかわってくるといっても過言ではないです。
一人暮らしだと、当然ですが仕事または学校と並行して家事をしなければならないので、練習時間を作るということがかなり難しくなってきますが、実家であればありがたいことにそれらはやってもらえる人が多いと思いますので、仕事または学校以外の時間を練習に充てることができます。
<理由4>東京のレッスンと地方都市のレッスンには差がある
これもけっこう地方が不利になっている大きな理由ですが、東京近郊にある声優養成所や専門学校のレッスンと、地方都市にある声優養成所や専門学校のレッスンにはかなりの差があります。
まず、常勤の講師陣です。
地方都市のとある有名専門学校の声優科の講師は、声優経験者でもない、わりと年齢も熟練の域に達していない、若めの無名の役者さんだったりします。
また、大阪のとある有名プロダクションの声優養成所や専門学校では、普通に現地で芝居経験者をアルバイト講師として求人サイトで募集しています。
もちろん、こういった養成所ばかりではなく、きちんとした経歴のある、非常に信頼のあるご年配の役者さんなどが講師をされているところもあるので、一概にそうとは言えませんが、養成所がビジネス的になっているところでは講師陣が微妙なところもあるのが現実です。
またそれ以外の東京と地方都市のレッスンの差として、地方の場合、現役の音響監督などのような、実際にキャスティング権を持っているゲスト講師を招くケースは非常に少ないです。
それはそうです。現役の音響監督は東京での収録の仕事があるので、なかなか地方には出向くことはできません。
音響監督さんの実際の現場でのお話しや、どういった人が求められているのかなどのお話はとても勉強になるのはもちろんのこと、音響監督さんに気に入ってもらえれば、現場に入れてもらえるケースもわりとあります。
そしてたまに地方で音響監督さんをゲスト講師に招くところもありますが、この場合も、東京周辺であれば「ちょっとこの子いいな。使ってみようかな。」とその音響監督さんが思ってくれれば簡単に仕事によんでもらえることでも、地方であればそれもできません。
ココに注意
こういった大切なチャンスの機会が少ない地方はやはり東京に比べてかなり不利だと言えるのです。
<理由5>デビューは圧倒的に東京の養成所や専門学校の人が多い
また、実際に同じプロダクションでも、プロの声優になれるのは東京にある養成所や専門学校からのほうが、地方校よりも圧倒的に多いです。
ちなみに、専門学校などで東京校の次にプロになれる確率が高いのが大阪校です。
もちろん東京校は全国から多数の声優志望者が集まってくるのですから、そもそも分母の人数が違うので優秀な人がまじっている人数が多いといった理由もあります。
ただ、やはり養成所に通っているうちからデビューのチャンスがあったり、プロダクション所属オーディションのときも、地方から引っ張っていこうと思うとそれなりに、ある程度売れそうとか、審査する人が力を持っていてその人のメンドウをみれそうな場合でないと、なかなかうからせにくいということもあり、東京校にいて、東京にすでに住んでいる人のほうが「ちょっととってみようかな。」という感じで預かりにしてもらいやすいのです。
まとめ
いかがでしたか?
地方や田舎はやはり東京に生まれ育った人に比べると、声優という仕事を目指すのは少しハードルが高いです。
アクセント一つとってもそうですね。
けれども、現在プロでご活躍されている地方出身者の声優さんは、東京に実家があって地方出身者よりは比較的楽に声優をやっている人には負けないというハングリー精神があり、そのガッツがあったおかげでプロになれたというベテラン声優さんも多くいらっしゃいます。
マイナスをプラスに変えて、絶対プロになるんだという気持ちをもって頑張ってみてはいかがでしょうか?応援しています!