声優になるために、学歴は必要なんですか?という質問をYahoo!知恵袋などでよく見かけます。
デビューしたての声優は、年齢関係なく新人です。
言い方は良くないですが、「下っ端」ですね。
下っ端が常識のない行動をしたり、礼儀がなっていなかったりというのはありえないことです。
学校は社会の縮図と言われます。
学歴社会と言われることもありますが、声優の業界についてはどうなのでしょうか。
今回は、声優になるために、学歴は必要なのかについてご紹介します。
声優になるために学歴は必要?


【1】最低限の「学力」は必要
声優が演じる役は、アニメでも映画の吹き替えでも人間です。
アニメでは、デフォルメされてはいますが、高校生だったり、お母さんだったり、サラリーマンだったりと、一般人のキャラクターを演じますよね。
ココがポイント
一般人を演じるということは、中学や高校で教わる一般的な知識はあって当然です。
「学歴」が必要と言うよりは「学力」は必要ということです。
【2】漢字が読めないのは論外
アニメや映画の場合は、事前に台本を渡されることも多いですが、急に台本に変更があったり、場合によっては当日その場で渡されたりすることもあります。
また、ナレーションの場合はその場で台本を渡され、すぐに収録ということは少なくありません。
そのときに、読めない漢字があると、自分が困るだけでなく、共演者やスタッフにも迷惑をかけることになってしまいます。
1つや2つなら事前に聞いておくのは問題ないですが、常用漢字が読めずに適当に読んでしまい、リテイクが何回も・・・なんてことになれば、次の仕事にかなり影響が出ることは想像できるでしょう。
漢字検定1級で出るような漢字は台本に書かれることはありませんが、常用漢字は書けなくても読めるくらいのレベルは必要です。
基準としては、中学、高校で教わる漢字、漢字検定なら2級のレベルはある方がいいですね。
【3】勉強すべきは「国語」
台本が読めても、そのキャラクターの気持ちを理解できないと役を演じることはできません。
よく国語のテストで、「この人物の気持ちに当てはまるものを選びなさい」という設問が出ていると思います。
文字で書いている台本を読んで、その感情を表現するのですから、国語のテストの問題を繰り返し解いているようなものです。
そこでちぐはぐな表現をしてしまうと、ディレクターがこうしてほしいというダメ出しがされます。
でも、読解力が身についていないと、その意図もわからず、最終的には「下手」という認定をされることになります。
もちろん、スムーズに仕事が進まない声優は、仕事が来なくなります。
スタジオも利用する時間も決まっていることも多いので、限られた時間で収録を完了させる必要があります。
「決まった時間で仕事を終えられないのであれば、使いづらい」と思われて、仕事が来なくなってしまうのです。
高校には行って損はない


【1】高校卒業資格は絶対にあった方が良い
声優として、最低限の学力が必要ということはおわかりいただけましたでしょうか。
少し話は逸れますが、社会では中学卒業だけの資格だと、就職も厳しい状態です。
高校卒業までするのが常識と考えられていることは否めません。
社会では、高校卒業資格がいわゆる一般常識、一般的な学力をつけたという証拠にもなっているのです。
声優の世界もそれは同じです。
高校の授業で教わることは、声優としては直接的に役に立つことはあまりありません。
でも、社会的な基準として高校を卒業している=一般的な知識がついているという見方になるので、高校卒業資格は絶対に必要です。
【2】一般常識・礼儀を問われる声優業界
一般常識・礼儀が身についていない声優は、声優業界では絶対にやっていけません。
中学でデビューした木村昴さんは有名ですね。
ドラえもんの現在のジャイアンの声を演じている声優さんです。
木村昴さんのように中学在学中にデビューすることはできる人もいるでしょう。
しかし、他の共演者やスタッフさんに感謝の気持ちを持てないとか、ルールが守れないとか一般常識や礼儀がなっていない人と一緒に仕事をしたいはずはありません。
また、声優業界は狭い世界です。
一般常識や礼儀がなっていない声優という噂はたちまち業界内に広まります。
そして、声優として仕事は来なくなります。
【3】どんな高校に行けばいいの?
高校卒業資格があれば問題ないので、自分の学力を考えて高校を選べばOKです。
声優科がある高校もありますが、まだ新設された学科のことが多く、声優になるために有利になるのかはわかりません。
卒業後の進路を考えて、大学に行くつもりなのであれば、進学校に行くというのも大いにありです。
ただし、進学校の場合はバイト禁止の学校が多いため、お金を貯めることは難しくなります。
特に希望がないのであれば、普通科を選べば問題ないでしょう。
声優になれない可能性を考えて、商業科や工業化を選択するのもいいと思います。
声優に大学卒業資格は必要?
【1】人生経験の1つとして大学に行くのもアリ
大学は行かなくても問題はありません。
ただ、大学でしかできない経験もたくさんあります。
声優はそれまでの経験が芝居に出てくるので、大学でいろいろ経験したことが、後々になって活きてくることもあるのです。
ただし、4年制の大学の場合、ストレートで卒業しても卒業は23歳なので、同じ声優志望者と比較すると、若さがなくなるというデメリットもあるので、よく考えてみましょう。
また、大学は学費も高く、奨学金をもらって通う人も多いです。
卒業後、奨学金を返しながら、声優の学校の学費を支払うのは、かなり無理があります。
保護者の方とよく話し合って、大学には行くのか行かないのか決めるようにしましょう。


【2】少しでも興味のある大学に行く
大学に行くと決めた場合、どんな大学に行けばいいのでしょうか。
高校と違い、大学は専門の知識を教わる場所です。
全く興味がないのに通っても、面白くないですし、途中で辞めてしまっては、もったいないですよね。
少しでも興味がある分野の大学を選びましょう。
筆者の通った大学は、芸術工学部という変わった学部があり、演劇文化論という授業がありました。
シェークスピアの映像などを観ることができ、とても勉強になりました。
個人的にではありますが、もし資金が問題なければ、薬学部をおすすめします。
薬剤師のバイトはとても時給が高いのです。
コールセンターの時給は都心だと1200円くらいですが、薬剤師のバイトは2000円を超えることもあります。
薬学部は学費も高いと6年制なのでデメリットもありますが、その後のことを考えるとおすすめの学部です。
【3】声優になれない場合もある
あまり考えたくはないと思いますが、声優になれなかったときのことも考えておく必要はあります。
声優志望者の方は、有名な売れっ子のアニメ声優になって・・・と華やかな業界にいる自分を想像しているでしょう。
もちろん自分の理想を描くことは重要なことです。
でも、声優の世界は厳しいとどこのサイトにも書いてあると思いますが、声優になれない、なれても生活できるほど仕事がもらえないというのはザラです。
ココに注意
声優になれなかったときにどうやって生きていくのか、というリスクをあらかじめ考えておくことは、理想を描くことと同じように大切なことなのです。
そのために、大学に行って、就職できる間口を広げておくことは間違っていません。
まとめ
何が何でも声優になりたい!と考えている人は、どうしても成功した自分の姿だけを想像してしまいます。
情熱があることはいいことですが、自分の人生でやり直しはきかないので、冷静にリスクを考えることも重要なことです。
一旦冷静になり、自分の人生をこれからどうしていくのか、しっかり考える時間を作りましょう。
そして、リスクを加味した上での声優になる計画が出来上がったら、その計画にそって、行動を開始しましょう!