冬になると、電車内でも街中でも風邪をひいて、咳をしている人をよく見かけます。
風邪は空気が乾燥して、菌が繁殖しやすい季節に流行ります。
でも、声優は声を使って仕事をするのですから、風邪をひいたから、声がでないからと休むわけにもいきませんよね。
今回は、プロ直伝の喉のケア方法をご紹介します。
声優の喉は商売道具
【1】風邪をひくのはご法度!
「健康管理も仕事のうち」と会社でも言われることがあります。
声優にとっても健康でいるということは、大切なことです。
「声」を商品にしているわけですから、喉は大切な商売道具ですよね。
ココに注意
風邪をひいてしまって、声がガラガラになってしまうと仕事になりません。
プロの声優さんは風邪をひくことはご法度です。
筆者の場合は、もともと声がハスキーなので、少し声が枯れてもあまり気づかれなかったのはラッキーでした(笑)
それでも、風邪のときは体もだるいし、熱なんてあろうものなら、普段の80%くらいしか実力を出すことができなくなります。
【2】花粉症の人も注意
花粉症の方は春、秋は特にですが、ハンデを背負っていると思ってください。
程度にもよりますが、スタジオで鼻をかむことは当然できません。
特に鼻声になってしまうと「マ行」「ナ行」は全滅です。
声が枯れる方もいますので、収録できない!なんてことにもなってしまいます。
声優として花粉症対策は万全にし、鼻声、枯れ声にならないようにケアが必要です。
養成所でも風邪をひかない工夫を
【1】養成所でのチャンスはいつ巡ってくるかわからない
養成所に通っているからといって健康管理を怠るわけにはいきません。
突然事務所のマネージャーさんが見に来る可能性もあります。
また、養成所での演技の出来栄えも声優事務所まで情報が上がっていることもあります。
養成所時代に試しに突然何かの作品に出演することもあります。
デビューのチャンスは、いつ巡ってくるかわかりません。
また1回レッスンを休むだけで、演じるチャンスも逃してしまいます。
【2】養成所のときから喉ケアを実践
養成所に通っている時点で、声優の卵なんだという自覚を持ち、健康管理、喉のケアはしっかりしておきましょう。
プロになっても喉のケアは必須です。
個人差がありますので、何もしなくても風邪をひかない人もいますし、ケアをしっかりしていても声が枯れてしまう人もいます。
喉が弱いと自覚している人は、養成所に通っているときに、自分に合う喉のケア方法を試してみることをおすすめします。
【3】風邪をひかない体力づくりを
風邪は、体力がない人はどうしてもかかりやすいものです。
寝起きの声と、起きてからしばらく時間が経った声は、まったく違うという人も多いです。
声優の仕事は意外と体力も必要です。
声を出す前にストレッチをし、体を温めておくことも重要です。
ココがポイント
風邪をひかないように予防することと、毎日少しだけでもいいので体力をつけるようにしましょう。
人間の体力は20歳を境に衰えます。
毎日ストレッチや筋トレ、ジョギングなどをすることで、体力の衰え方は緩やかになりますし、風邪もひきにくくなります。
プロ直伝の喉ケア方法
【1】うがい・手洗い
言わずと知れた風邪の予防法です。
ココがポイント
手を洗うタイミングは、外から帰ったときだけでは不十分です。
手洗いは、手が荒れてしまう人は難しいですが、可能な限り石鹸、ハンドソープで洗う方がいいでしょう。
イソジンなどのヨウ素入りのうがい薬もいいですが、ヨウ素は使いすぎると喉の乾燥に繋がります。
おすすめは、アズレンスルホン酸が入ったうがい薬です。
殺菌だけでなく、炎症も抑えてくれます。
ヨウ素のうがい薬より少し高いですが、効果は抜群です。
うがいが頻繁にできないときには、スプレータイプのものも有効です。
これもアズレンスルホン酸のものがおすすめです。
費用が気になる方は、塩水やお茶でOKですよ。
【2】飲料は水
養成所で言われることもありますが、声優さんが水分補給をするのは、ずばり「水」です。
お茶でもいいのですが、ウーロン茶と紅茶はダメです。
ウーロン茶は脂っこい中華料理を食べるときに、油を流すために飲むものです。
特に温かいウーロン茶は喉の必要な油も流してしまうので、声優さんでウーロン茶を飲む人はいません。
ドラゴンボールでおなじみの野沢雅子さんもウーロン茶を飲まないと明言しています。
ジャンルは変わりますが、B’zの稲葉浩志さんもウーロン茶は飲まないそうです。
喉を商売道具にしているからにはウーロン茶は飲まないのが鉄則です。
また、夏になると冷たい水を飲みたくなる気持ちもわかります。
コンビニの飲料コーナーでもペットボトルの水は冷やしてあります。
しかし、喉のためには冷たい水ではなく、常温の水がおすすめです。
冷たいものは、筋肉を冷やし、収縮させてしまうので、なるべく避けるようにしましょう。
【3】マスクをする
マスクをする目的は2つあります。
外から入る風邪の菌をブロックする、喉の保湿という目的です。
外に出るときだけでもいいですが、喉が弱い方は常にマスクをする人もいます。
使い捨てのマスクで大容量のものがドラッグストアにありますので、自宅に常備しましょう。
喉が弱い人は、寝るときにマスクをするのもおすすめです。
慣れないうちは苦しくなりますが、寝ているときに唾液の分泌が減り、菌が繁殖するので、保湿をするのなら寝るときにもマスクをしましょう。
首にタオルを巻いて、冷やさないようにするという声優さんもいます。
どちらも慣れが必要なので、すぐに試してみましょう。
【4】おすすめの「のど飴」
コンビニなどに売っているのど飴でも保湿の目的ならば問題ありません。
のど飴を舐めているうちは、唾液で喉が潤っているので保湿はできます。
風邪をひいてしまって、声が枯れるのを防ぎたいときは、お菓子ののど飴ではなかなか対応できません。
ドラッグストアに売っているビックスなどの薬用のど飴、龍角散のど飴などがいいでしょう。
それでも喉が痛い方には、この後ご紹介しますが、「プロポリス」ののど飴がおすすめです。
声が枯れてしまったときの裏技!
【1】はちみつ
とにかく喉の水分がなくならないようにしなくてはなりません。
はちみつを喉に塗ることで、喉の粘膜を保護し、保湿をします。
はちみつと言っても、加糖のものではなく、純粋なはちみつがいいでしょう。
純粋なはちみつはスーパーでも売っていますが、かなりお値段が高いです。
加糖のはちみつの2倍以上のお値段のものもあります。
ただ、はちみつを喉に塗るのは難しいと思います。
そこで、喉のケア用のスプレータイプのはちみつが売っています。
ちょっと容器がベタつきますが、カバンに入れて持ち歩けるので便利ですよ。
【2】プロポリス
これぞ声優の最終兵器です!
ちょっと前に話題にもなりましたが、プロポリスはハチが集めた木の芽や樹液からできた混合物質です。
コンビニやスーパーでもプロポリス入りののど飴は売っていますが、配合量が少ないのが欠点です。
プロポリスは、はちみつよりも貴重なもので、かなりのお値段です。
配合量が多いのど飴は、薬局で一袋600円ほどはします。
独特の味と風味がしますので、嫌いだという人も多いです。
でも、効果は抜群!はちみつも比べ物にならないくらいの効果ですよ。
そして、コレはあまり実践できるものかはわかりませんが、知り合いの声優さんから教えてもらった裏技です。
市販されているものを見ることはないのですが、「プロポリスの原液」というものがあります。
お値段は量にもよりますが、5000円以上はします。
それを喉に直接垂らします。
あとは、マスクをして首にタオルを巻いて寝てください。
ガラガラの声が次の日には治ったとその方は言っていました。
どうしても、ガラガラで次の日までに治さないといけないときにおすすめです。
プロポリスの原液での治療は、かなりしみます。
また、その方法は公式な使い方ではありませんので自己責任でお願いします。
効き目は絶大ですが、本当に困ったときだけにしてくださいね。
まとめ
喉は声優さんの命といっても過言ではありません。
自分に合った喉ケア方法を今からでもいろいろ試してみるといいですね。
ここには挙げませんでしたが、喉ケアだけでは風邪は防ぐことはできませんので、睡眠と栄養も大切です。
普段から健康な体作りをしておきましょう。