SNSなどで、「声真似」という言葉をよく見かけます。
声真似とは声優さんの演じたキャラクターそっくりの声でセリフを真似することです。
声真似ができるようになると声優になるために有利になることはあるのでしょうか。
YouTubeでも声真似の説明をしています!↓
今回は、声優になりたい人へ声真似のメリットやコツを紹介していきます。
声真似で声の幅を広げよう!
声真似は確かに素敵だけど
声優志望の人の場合には
ちょっと違ったやり方をしてほしいです。
声真似をすることによってどんないいことがあるのでしょうか。
クラスで人気者になれる?
いいえ、違います。
声優になりたい人がぜひ目指してほしい声真似は目的もやり方もちょっと違うのです。
【1】声の幅が広がれば表現の幅も広がる
声優にとって、演技の幅を広げることは非常に重要です。
ココがポイント
演技の幅を広げる方法はいくつかありますが、声真似もその一つとして利用しましょう。
演技の幅とは、演技のパターンを増やすことです。
声域が狭いと、表現の幅も狭いということです。
そこで、声域を広げるという目的で声真似を使います。
【2】声は高音の方が上がりやすい
普段話している声は「地声」と呼ばれます。
歌を歌うときには、地声で歌う人はおそらく少ないです。
人の声帯は、人によって違います。
体格によって、ある程度決まってはいますが、短い、長い、太い、細いなどその組み合わせで、出せる音の幅が決まっています。
高い音を出す時に、少し喉の周辺の筋肉に力をかけると、地声よりも高めの音が出ますね。
低めの音を出そうとすると、喉の周辺の筋肉は少しゆるんでいませんか?
筋肉を緩めるのを鍛えることは、かなり難しいです。筋肉を鍛えて、大きく力が入ると、高い方に声が出るようになります。
声域を広げる場合、多くの場合、高い方に広げる方が広がりやすいのです。
【3】耳も同時に鍛えよう
この後にも紹介していきますが、声真似をする際には、真似をする元の声を何度も聴くことになります。
声優にとって、耳で聴いて、自分の声をコントロールする技術も必要です。
ココがポイント
声真似を繰り返すことで、耳も鍛えることができることもメリットの1つです。
声真似は諸刃の剣になることも…
声真似ができれば無敵ってわけじゃ
ないから、気を付けてね!
声の幅を広げるのに有効な声真似ですが、諸刃の剣になってしまう可能性もあります。
デメリットもよく理解しておきましょう。
あくまでも「真似」だけであることを忘れないでほしいです。
【1】声真似で声優として成功した人
栗田貫一さんをご存知でしょうか。
ルパン三世の現在のルパンの声優さんです。
栗田貫一さんは、ルパンの声優さんとしては二代目です。
初代声優は、山田康雄さんです。
栗田貫一さんは、モノマネ芸人としてTVで山田康雄さんのルパンのモノマネで定評があったのです。
しかし、山田康雄さんが体調不良で降板せざるを得ない状況になったことで、モノマネだった栗田貫一さんがそのまま二代目ルパンとして声優を担当することになりました。
栗田貫一さんのケースは、声優としては非常に稀なケースです。
声真似がすごく上手にできたとしても、その底にある「演技」ができていなければ、声優として起用されることはありません。
栗田貫一さんの経歴を見てみると、役者としてTVドラマにも出演しており、演技の基礎は十分にあったというのも、二代目ルパンとして適切だったのです。
【2】二番煎じは売れない可能性大
栗田貫一さんのように、声が似ている声優さんを起用して二代目として活躍している方も増えています。
しかし、声優としての表現は、「真似」だけで成り立つものではありません。
声真似だけで、自分の演技のスキルが磨かれていなければ、声真似止まりになってしまう可能性が高いです。
特に最近は声優業界も飽和状態です。
ココに注意
二番煎じでは、声優の業界では生き残ることはできないのです。
【3】やりすぎると自分の個性が消えてしまう
声優という職業は「役者」の仕事の一部だと私は考えます。
声真似だけでは役者として成立するはずがありません。
ずっと声真似だけを練習して、たとえ声の幅が広くなったとしても、「自分の演技」をできるようにしておかないと、その人の個性が消えてしまいます。
あくまでも声真似は声真似です。オリジナルではありません。
声がそっくりでも、同じセリフを発したとしても、その声優さんと同じではないのです。
【4】真似に向かない声優もいる
声真似をする際に、お手本にする声優さんを選ぶ必要があります。
あまりにも特徴があり過ぎる声を真似することはあまりおすすめしません。
先にもご説明しましたが、声の幅を広げることを目的とする方が、声優としてのスキルを磨くことにもなります。
そのため、しゃべり方の癖が強い声優さんをお手本として真似してしまうと、声の幅どころか、ただの癖の強いしゃべりのみを真似するだけになってしまうのです。
例えば、クレヨンしんちゃんの初代しんのすけ役の声を真似する場合などがそうです。
だいたいの女性が、少し鼻にかけて低めの音で発声すれば、似た声を出せます。
矢島晶子さんが初代しんのすけの声優さんですが、しんちゃんの声真似をすることで、声優としてのスキルアップにはならない可能性が高いですね。
声真似のやり方7ステップ
声の幅を広げる目的でやっていきましょう!
実際に声真似をする際には、「声の幅を広げる」という目的でやってみることの方が効果的です。
その方法を7ステップに分けて説明しましょう。
【ステップ1】自分の地声を知ろう
意外に知らないのが、自分の地声です。
日本人は、地声で普段しゃべる機会が少なく、本来の地声よりも少し高い声でしゃべることが多いです。
余所行きの声ということですね。
地声は簡単に言うと、「自然な声」のことです。
日本人の多くがリラックスした状態で普段から話していることが少ないため、自分の地声を知らない人が多いです。
大きくため息をついてみましょう。普段より低めの声が出ていませんか?その声があなたの地声です。
【ステップ2】声優のボイスサンプルを聴こう
次に、声優のボイスサンプルを聴いてみましょう。
声優事務所のサイトを見ると、ほとんどの事務所にボイスサンプルがあるでしょう。
セリフのボイスサンプルをいくつも聴いてみましょう。もちろん、自分と同性のサンプルにしましょうね。
【ステップ3】地声より少し高い声をチョイスしよう
ココがポイント
声域を広げるという観点から、ステップ1で紹介した地声よりも少し高めの声のサンプルを選びましょう。
女性の場合は、すぐに見つかると思います。
男性の場合は、もともと日本人男性の声が高めなので、年配の男性声優さんだと見つかりにくいと思います。
若手の声優さんの方が高い声の方が多い印象ですね。
【ステップ4】台本をつくろう
声真似をする場合でも台本は必要です。声優は台本を持って演技をします。
そのセリフに込められた気持ちをしっかり理解するために、台本は不可欠です。
ボイスサンプルから、文字に起こして台本を作りましょう。
著作権の関係もあるので、その台本は公にはしないようにしてくださいね。
できれば、手書きではなく、パソコンやスマホで作成することをおすすめします。活字にも慣れるためです。
【ステップ5】ボイスサンプルを真似して録音しよう
実際に台本を持って、録音しながらやってみましょう。
自分が発している声は、「骨伝導」という体の中にある骨を伝わって聴こえる声も聴きます。
まわりの人が聴いている自分の声は、骨伝導で伝わる声とは全く違います。
似ている声だと自分で思っていても、周りが聴いてみるといまいち似てないというのは、音の伝わり方が違うからです。
【ステップ6】録音を聴いて違うところを整理しよう
声真似を録音したものを何度も聴き返しましょう。
最初は自分の声が気持ち悪くて、恥ずかしくなるかもしれません。
元になる声優さんのボイスサンプルと聞き比べて、どこが違うのかを整理しましょう。
何度も聴いているうちに、自分の声を気持ち悪いと感じなくなってくるのも良い点です。
【ステップ7】普段からその声でしゃべってみよう
違いが判らないくらいまで上達したら、普段からその声でしゃべってみるのも効果的です。
声真似を通して、自分の声として取り込んでしまう作戦です。
これを繰り返すことで、声のバリエーションが増え、自分の演技をするときに使うことができるようになります。
さらにステップアップするには
声の出し方などコツをつかめたら
次のステップに進みましょう!
しばらく同じセリフを繰り返し練習すると、その声優さんの声の特徴やしゃべり方がわかってきます。
声真似によって、声の出し方もコツが掴めるのではないでしょうか。
さらにレベルアップして、自分の演技として利用できるようになるには、まだまだ練習が必要です。
【1】同じ声優の別のセリフを練習しよう
同じ声優さんのボイスサンプルをピックアップして、それをまたマスターするまで練習しましょう。
セリフだけでなく、ナレーションでもOKです。
同じ声優さんでも役柄によって声の出し方やしゃべり方を変えていることもあります。
バリエーションを増やすことで、自分の声として根付くことに繋がりますので、何パターンも練習することが大切です。
【2】セリフのしゃべり方
(1)セリフに気持ちを「のせる」「込める」は間違い
この記事以外で何度も書いていることにはなりますが、セリフというのは、気持ちを「のせる」「込める」ものではありません。
そのキャラクターがおかれた環境や立場、作品の中での役割によって気持ちの変化があり、その上でセリフが出るものです。
(2)気持ち→セリフにしよう
「なぜ」そのセリフなのか、「なぜ」その言い回しなのか、「なぜ」その間なのか・・・。
セリフは、「なぜ」が非常に重要です。
「なぜ」がわからなければ、そのセリフを発することはできないのです。
ココに注意
セリフありきの演技ではなく、気持ちがあるうえでのセリフであることを理解する必要があります。
【3】練習した声で気持ちからセリフを発してみよう
ここまで声真似として、セリフを練習してきたのですが、ワンランクアップさせるためには、もう少し深いところも考えてみましょう。
「声真似」だけではただのモノマネにすぎません。
先にも述べましたが、栗田貫一さんが二代目ルパンとして認められたのは、モノマネが上手かったからという理由だけではないのです。
気持ちがきちんとあってセリフを発して、それが山田康雄さんの発したセリフに似ているから認めてもらえたのです。
ココがポイント
声優は常に気持ちがあって初めて「セリフ」という媒体を使って演技をすることができます。
そのことを忘れないようにしてください。
声真似で注意すること
セリフを声真似していると、どうしても「モノマネ」だけになってしまいがちです。
もう一度、声真似をする上での注意点をおさらいしておきましょう。
【注意1】形だけでやらない
何度も言いますが、セリフありきの演技は絶対に認めてもらえません。
形だけでやっても、最終的にボロが出ます。
せっかく幅を広げる練習をしているのですから、自分の声優としての演技力も磨くつもりでやりましょう。
【注意2】声域を広げるのにとどめよう
あなたが養成所に入る前の段階で、「気持ちから発するセリフ」という意味が分からない場合は、声域を広げるだけにとどめましょう。
演技のロジックがわからないまま声真似だけを練習し続けることは危険なことです。
【注意3】癖にならないようにしよう
ずっと声真似だけ練習していると、たしかにその声優さんの声真似は上手くなります。
しゃべり方の癖や間の取り方など、その声優それぞれに特徴があるので、それが自分の癖として身についてしまいます。
それだけに染まってしまい、自分のしゃべり方を忘れてしまうのでは本末転倒です。
【注意4】本気で真似しよう
ココがポイント
声真似をするのなら、プロを目指す身として「本気で」やってください。
中途半端にやるのが一番ダメなことなのです。
声の幅を広げる目的で始めたのですから、声真似だけに留まることは、あなたの声優としての可能性をつぶします。
やるなら「本気で」「身に着くまで」やりましょう。
声真似ではなく自分の声の魅力を伸ばしたい方は…
声真似ではなく、自分の声の魅力を伸ばしていきたい方は、声優の専門学校に通うことをオススメします!
声優の専門学校では、自分の声の良さを伸ばしていく練習ができる他、声優になるために必要なことを全て学ぶことができます。
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まとめ
声優になりたい人は自分の声にコンプレックスを持っている人は多いです。
いわゆるイケボやかわいい声にあこがれて声優になりたいと思った人は特に、自分の声でない声で演技ができることを夢見てしまいます。
でも、本当は自分の声って魅力的なんですよ。
それに気づくことで、売れている声優さんの声真似をすることがいかに諸刃の剣なのかわかるようになります。
しかし、声真似をすることは、悪い面ばかりでもありません。
自分の声域を広げるための手段として声真似を有効活用することができると、結果として自分の演技の幅も広がります。
声真似をするなら、「プロ」として声真似をするようにすることをおすすめします。