地方出身の声優になりたい方、地元で標準語を使って話していますか?
おそらくなまりがあり、方言で話している方が多いのではないでしょうか。
筆者も福岡県の出身なので、上京したてのときは方言丸出し、なまりまくりでした。
なまりや方言は「田舎者」と思われそうで、恥ずかしくて、なるべくしゃべらないようにしていました。
声優になるのに、それぞれの地方のなまりや方言は不利になってしまうのでしょうか。
今回は、なまりや方言が声優にとって不利なのか、有利なのかご紹介していきます。
標準語を話せることは必須条件
【1】入所試験で標準語のテストがある
声優になるには、独学ではまず無理です。
そのため、養成所や専門学校に通い、声優としてのスキルを習得していくわけです。
そこで最初に立ちはだかるのが、入所試験です。
入所試験がない学校もありますが、ほとんどの学校が声優としての基盤があるのかをチェックする試験をし、ふるいにかけるのです。
入所試験の内容は学校によってもさまざまですが、漢字の読み、アクセント、表現力を見るテストが多いです。
アクセントは試験の段階で完璧に標準語にしなければダメというわけではないようです。
指摘されて、すぐに直せるかどうかを見ているようです。
【2】学校での最初のレッスンは標準語を覚えること
「無事入所試験をパスして、入所して一安心だ」とはいきません。
入所は声優になるためのスタートラインです。
最初のレッスンは、まず標準語を話せるようになるように、日本語の言葉の勉強をします。
ここで、まず言われるのは、アクセント辞典を買うことです。
アクセント辞典は声優さんなら、おそらく90%以上の方が持っているものです。
プロになってからも、現場には必ず持っていきます。
地方出身の声優志望者はまず、なまり、方言を矯正することが課題です。
関西弁の方は、アクセントが標準語と全く違うので苦労した人が多いと思います。
筆者も福岡出身で、標準語は話せると思っていましたが、かなりなまりがあることを入所後に知りました。
今でもアクセント辞典で逐一単語を調べて、正しいアクセントを覚えています。
【3】標準語が話せない声優はいない
関西弁のキャラクターができるから、問題ないと思っている人いるかもしれません。
たしかに地方の声の仕事なら問題ないでしょう。
しかし、全国区で放送されるアニメでは、全国区の視聴者へ向けてのものですから、当然標準語でセリフを発することになるわけです。
どこの出身であっても、全国区の視聴者にわかる標準語で話すことは、声優には必須条件です。
そのため、標準語が話せない声優はいないのです。
なまりや方言は武器になる?
【1】特技としてプロフィールに書ける
声優さんのプロフィールを見ると、特技の欄に「関西弁」や「津軽弁」などの方言を書いている方もいます。
「関西弁」を話せる声優さんを探している場合、プロフィールに書いてあることで、仕事のオファーに繋がる可能性があります。
地方出身者なので、標準語の習得にはかなり苦労しますが、なまりや方言を話せることは1つのスキルとなります。
【2】キャラクターによっては武器になる
アニメでは、方言を話すキャラクターが登場することもありますね。
関西出身でなくても、その役になることもあります。
その場合、方言指導が入ることもあります。
それでも、関西弁を話す視聴者が聞くと、違和感を覚えることも多々あります。
筆者も福岡出身なので、九州弁をしゃべるキャラクターの方言を聞くと、微妙に違うなあと感じることがあります。
作品の作り手が、より自然な関西弁を話すことを求める場合、最初から関西弁を話す声優さんなら違和感はなくなります。
あまり数は多くないですが、なまりや方言が話せることが武器になることもあります。
自力でなまりを直す方法
では地方在住で、なまりや方言がある場合、自力で直す方法はあるのでしょうか。
【1】NHKのニュースを聞く
NHKのニュースを読むアナウンサーは、標準語を正確に話せると言われています。
全国区のニュースなので、アナウンサーはどの地方の人でもわかる標準語で話すように訓練されています。
また、現在の話し言葉ではほとんど発音されなくなった鼻濁音なども正確に発音しています。
NHKのアナウンサーが読むニュースを毎日聞くことで、標準語となまりのアクセントの違いに気づくことができます。
【2】辞典でアクセントを調べる
アクセント辞典は、標準語をどのように発音するのかを記号を使って書いてあります。
NHKのニュースを聞いていて「あれ?」と思ったら、アクセント辞典をひきます。
そして実際に、自分でも発音してみます。
1回調べたら、赤線を引く、2回調べたら青線を引くというように自分で調べた記録を付けておくと良いですよ。
何本も線が引いてある言葉は、なかなか直らない言葉ということになります。
筆者も未だにアクセントを忘れてしまう言葉もあるので、その都度アクセント辞典に線を引いています。
使い始めはアクセントの記号がわからないと思います。
辞典の最初に記号の意味が書いてありますので、よく読んで理解しておきましょう。
なまりを直すのであれば養成所が早い
【1】地方で標準語を覚えるのは難しい
ここまで自力でなまりを直す方法を書きましたが、この方法はかなり難易度が高く、根気もいります。
英会話教室で、英語はある程度話せるようになりますが、毎日英語を話さないとすぐに忘れてしまうのと同じです。
生まれてからずっと方言で話していたのに、すぐに標準語に修正して覚えるのは、英語がペラペラになるのと同じくらい難しいことです。
しかも、地方に住んでいる場合、周りの人はみんな方言でなまっている発音をするので、覚えてもまたすぐに戻ってしまいます。
【2】東京にしか声優の仕事はない!
筆者も最初は地元の福岡で、声優の仕事ができないのか調べていました。
でも、収録は95%くらいが東京のスタジオで行われます。
アニメ、映画、CMナレーションなどの声優の仕事は東京にしかありません。
ラジオは地方での収録という場合もありますが、数はほとんどないのが現状です。
声優の仕事は東京にしかないといっても過言ではありません。
一流のプロの声優として活躍したいと思っているのであれば、東京に住むことをおすすめします。
【3】一刻も早く上京しよう
声優の仕事は東京にしかない、標準語を習得する必要があるということを考えると、やはり東京に住むのが一番だと思います。
英語がペラペラになるには、英語圏に留学するのと同じです。
東京に住み、標準語に囲まれて、声優の勉強をする方が、自力で標準語を勉強するよりもはるかに効率がいいのです。
学校も分校をたくさん作っている学校もありますが、可能な限り東京校を選びましょう。
まとめ
地方在住の方は苦労することも多いですが、なまりや方言が声優としての1つの武器にもなることがわかりました。
標準語となまり、方言の使い分けができるようになれば、仕事を獲得するにも有利になるでしょう。
もちろん、今の年齢や、すぐに上京するのが難しい環境にある方もいると思います。
今できることを1つずつクリアすることが大切ですよ。