声優養成所の募集要項欄を見ると「特待生」という言葉が書かれていることがありますね。
特待生制度は、どういう制度なのでしょうか。
また、特待生になったことでどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
詳しく説明していきますね。
声優養成所の特待生制度とは
【1】特待生ってどんなことがいいの?
特待生になると、学費の免除や半額になる、入所金免除など金銭面での優遇があります。
声優養成所の学費は30万円以上するところがほとんどですし、特待生制度があるのであれば、ぜひ利用したいところです。
【2】優秀な人材を優遇する制度
特待生は、その養成所の未来の担い手として非常に期待されています。
事務所に所属することができれば、即戦力になる、あるいは活躍できるという期待をされているのです。
オーディションの段階で事務所側が欲しい人材として優遇されます。
いわゆる、光る原石ということですね。
【3】養成所で特待生制度がある学校は少ない
現在、声優養成所で特待生制度を設けているところは少なくなっています。
というのは、他の一般養成所生のモチベーションが下がる原因になる、本人も成長しなくなる可能性があるという理由からです。
とはいえ、学費の面で大きく負担を減らすことができるのは魅力ですね。
特待生になるには?
ではどうやったら特待生になれるのでしょうか。
イレギュラーのルートはここでは省きますが、大きくわけて2つのルートがあります。
【1】特待生制度がある養成所のオーディションを受ける
少なくなっているとはいえ、現在も特待生制度を設けている養成所はあります。
養成所のオーディションを受け、特待生として合格すればいいのです。
不定期に開催されることもありますので、募集要項などを確認してみましょう。
【2】声優アワードの新人発掘オーディションを受ける
声優アワードというのは、声優の業界で活躍した人を表彰する祭典のようなものです。
その年にいろいろなジャンルで活躍した声優を表彰して、称えるイベントです。
その中で、新人発掘オーディションが開催されます。
一般の声優志望者が応募でき、グランプリを受賞すると声優養成所の特待生として入所できます。
そのまま事務所所属になる方もいるようです。
特待生になるのは難関!!
【1】競争率は非常に高い
特待生制度が廃止されつつありますが、それでも学費が免除されることや声優になる最短コースである意味合いもあり、特待生を狙って受験する人は非常に多くいます。
そのため、競争率はものすごく高くかなりの難関です。
【2】演技経験があっても難しい
初心者でないと特待生になれないというわけでもありません。
他の養成所を卒業して、別の養成所の特待生を狙って受験する人もたくさんいます。
演技経験があったとしても、その事務所、養成所が来てほしいという人材でなければ特待生にはなれません。
【3】他の養成所と併願しよう
初心者でも演技経験者でも同じオーディションを受けるわけですし、かなりの倍率であることを考えると、特待生狙いだけで養成所を受験するのはおすすめしません。
もちろん養成所に通わなくても自身でできることは山ほどあるのです。
でももし、養成所にどうしても通いたいのであれば、特待生狙いの養成所だけを受験するのではなく、他の養成所も併願した方がいいでしょう。
特待生になったからといって声優になれるわけではない
【1】事務所に入るには近い位置にいる自覚をする
特待生は学費免除だけの特典ではありません。
事務所が欲しい人材を選りすぐって合格したので、入所した時点で、頭一つ分抜き出ているということです。
事務所に所属するために、入所の時点では一番近い位置にいるのです。
【2】油断して努力を怠らないようにしよう
特待生になって入所したとしても、事務所に所属したわけではありません。
養成所生であることに変わりはありません。
ココがポイント
特待生であることに高を括って、努力を怠ると、事務所に所属することはできません。
同期は、特待生であるあなたを当面の目標として頑張ります。
油断していると、気づいたら追い越されていたということにならないように注意しましょう。
特待生制度がある声優養成所5選
【1】インターナショナルメディア学院
費用:無料
年齢性別・経験不問で、誰でも受けられます。
インターナショナルメディア学院は、毎月オーディションを実施している珍しい養成所ですので、自分のスケジュールに合わせて受験できるのが魅力ですね。
開催される校舎によってオーディション日程も変わるようなので、受けたい校舎の情報をホームページでチェックしましょう。
【2】81アクターズスタジオ
費用:2000円
大手の声優養成所では珍しく特待生制度を設けています。
別の声優養成所に通っている方でもオーディションを受けることができます。
参加資格として中学生~27歳までとあります。
初心者でも受験できますが、最大手ということもあり、競争率は相当なものでしょう。
残念ながら、2018年のオーディションは終了しています。
今年8月開催だったようなので、参加を考えている方はホームページをマメにチェックしましょう。
→https://www.81produce.co.jp/audition.html
【3】ぷろだくしょんバオバブ附属養成所
費用:5000円
バオバブは古くから継続している事務所です。
残念ながら演技経験者のみを受け入れているため、初心者では受験できないようです。
演技経験がある人が受験するため、必然的にハイレベルなオーディションになるでしょう。
事務所設立から30年以上の歴史があるため、伝統的な声優の演技を重視する傾向があると思われます。
→http://pro-baobab.jp/bao/outline.html
【4】エアーエージェンシー声優養成所
費用:5000円
15歳~30歳までの演技経験ありの方を対象としています。
事務所の規模も大きくはなく、2006年設立の会社なので、マネージメントの面で不安はあります。
しかし、特待生で合格できなくても入所金5万円+授業料30万円なので、声優養成所の中では費用面では安めです。
費用面で心配な方には、メリットにもなりますね。
→https://www.air-agency.co.jp/school/guide
【5】TABプロダクション(研究生)
費用:8000円
こちらも比較的新しい設立のプロダクションです。
俳優・声優という「役者」としての括りでマネージメントを行っています。
声優としての所属は現在はおらず、俳優としての仕事が多いようですね。
応募資格は13歳以上でOKです。
オーディション内容に歌とあったので、幅広い活躍を期待される事務所です。
→http://www.tab-pro.co.jp/cgi_bin/proclass_mail/input.html
まとめ
特待生制度は、声優養成所が生徒を多く確保するために始めた制度でもあるので、声優志望者が多くいる現在ではどんどん廃止されています。
ココがポイント
自分が行きたい声優養成所で、特待生制度があるのならば受験することをおすすめします。
でも、特待生制度の授業料免除のためだけに、行きたくもない養成所に行くのはおすすめしません。
声優になるためにお金を使うのですから、そこでケチっても仕方がないのです。
絶対に声優になりたい!と思っているのであれば、自分への投資は惜しむべきではありません。