「吹き替え声優」といっても、別に吹き替えのお仕事を専門でやっている人というわけではなく、アニメやナレーションのお仕事などもやりつつ吹き替えのお仕事がきたらそれもやるという感じです。
では、この吹き替えのお仕事もする声優さんになるにはいったいどこに行けば良いのか、どんなことを勉強すれば良いのでしょうか?
今回はこの「吹き替え声優」になるためにはどうすればよいのかをご紹介します。
声優養成所の選び方はこちらの記事を参考にしてください。→【学費が安い順】2019年最新版!声優養成所おすすめランキング20!
吹き替え声優になるには事務所・プロダクション選びがポイント!
じゃあ吹き替え声優とか夢みてるナナに、どうやったらなれるのか教えようかな。
声優プロダクションを目指すのがやはり近道なわけですが、この声優プロダクションにも「得意分野」と「不得意分野」があります。
アニメやゲームのお仕事が多いプロダクションもあれば、ナレーションに強いプロダクションもあり、それと同じように海外の映画やドラマのお仕事が豊富にあるプロダクションというのがあります。
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具体的にはどんな事務所・プロダクションがあるの?
具体的な例を挙げると、吹き替えのお仕事が多くて有名なのが「マウスプロモーション」(旧江崎プロダクション)というプロダクションです。
ちなみに、この「マウスプロモーション」に所属するためには、「マウスプロモーション付属俳優養成所」に通うのが近道です。ただ、こちらの養成所に入るには「専門学校、劇団等で1年以上、又はそれと同程度の基礎訓練を受けた18~27才の人」でなければなりません。
そのほかにも、海外の映画やドラマに特化しているというわけではなく、どんな仕事もバランスよくあるというプロダクションだと、俳協・青二プロダクション・ぷろだくしょんバオバブ・81プロデュースなどがあります。
ケンユウオフィスも全体的なお仕事数は少ないかもしれませんが、吹き替えのお仕事は多いプロダクションであると言えます。
アニメのアフレコとはやり方が違う
ところで、吹き替え声優さんも、アニメのアフレコみたいにしてるのかな?(˘•ᴥ•˘)
吹き替えとアニメのアフレコとはまたやり方が違ってるんだ。
吹き替えでは片側の耳にイヤホン、または片側だけのヘッドフォンをつけて原音を聴きながらアテレコします。
ナレーション収録だと、ヘッドフォンの場合は両耳のヘッドフォンですが(イヤホンのスタジオは片耳)、なぜ吹き替えは片側なのかというと、ナレーションはたいてい一人ですが、吹き替えは他の人の演技も聴いたうえでの演技をしなければならないので片耳になっています。
また通常、アニメのアフレコはこういったイヤホンは使用しません。
アニメのアフレコはすべて自分のイメージの世界でやるという感じですが、吹き替えは海外の役者さんの演技やアドリブに沿いつつ演じるという感じです。
ただ、完全に沿わすというわけでもなく、はみ出すところはおもいっきりはみ出した演技をする場合もあります。
そしてもう一つの大きな違いは、いまはたいていのアニメはアフレコをする時点では線画ですが、吹き替えは当たり前ですが動いている映像があるという点です。
「線画」
線画とは線で描かれた絵のことで、セリフをしゃべるタイミングに「ボード」と呼ばれるものが出ており、それが出ている間にしゃべります。丁寧に描かれているときもあれば、なんとなくこの辺りに人がいるということがわかる程度のラフさなときもあります。
吹き替え声優は演技力が求められる
アニメのアフレコに演技力が必要ないとは言いませんが、吹き替えのお仕事には演技力が必須です。
下手な人は使ってもらえません。
もちろん声質や、そのプロダクションに外画のお仕事がないとかで吹き替えのお仕事をされていない方はたくさんいらっしゃいますので、吹き替えの仕事がない=演技力がないということではないのでご注意ください。
また演者ご本人の年齢に合った演技ができるというのも重要です。歳をとればとっただけのその年齢の演技が必要になってきます。
本気で吹き替え声優になりたいなら舞台で経験を積むべし
吹き替えはしゃべり方も独特ですが、発声も独特です。
日本人は声が細く、海外の人は声が太いというのもあります。
韓国ドラマなどの同じアジア人がやっているものはそこまでではないかもしれませんが、それでも確実に特徴のある役やそういったものを求められているのでない限りは通常アニメ喋りではありません。
ですのできちんとした発声が必要になってきます。
きちんとした発声を養う
これには舞台できちんと腹式の発声や、演技力を培うのが早いです。
もちろん養成所でも腹式呼吸や発声は学びますが、学ぶのと常日頃から当たり前のようにできるのとでは違うので、そういったことを自分のものとするためにも舞台は大変おすすめです。
またそのほかに、「映像テクノアカデミア」という学校に「声優科」があるのですが、ここは「東北新社」という海外映画などの音声制作をたくさん手掛けている会社がバックアップしており、声優になるための学校にしては珍しく「外画コース」があります。
外画の吹き替えだけを整った設備できちんと学べるので吹き替えをやりたい人はこういったところで学ぶのも良いかもしれません。
自然な声での演技が重要!
アニメの声優では、「デフォルメされた演技」をすることが多くあります。
ビックリするときには大げさに驚く演技をする、悲しいときには大げさに悲しむなどです。
アニメでは表情はそんなに細かくないので、表現を大きくして視聴者にわかりやすく伝えることが必要なのです。
しかし外画は先ほどもご説明した通り、海外の俳優さんがすでに演技しているものに声をあてることが仕事です。
ココに注意
あまりにも大げさな演技をすると、海外の俳優さんの芝居を壊してしまいます。
そのため、人間の表現する気持ちよりも少し大きいくらいの自然な演技が求められます。
もちろん外画の種類にもよります。
コメディ映画では大げさなくらいがちょうどいいでしょう。
声の低い人は有利な点も
私の経験からいって、吹き替えの声優さんは全体的に声が低めの人が多いように感じます。
もちろん役によって異なりますので一概には言えませんが、アニメよりは声が低めの人が多いと思います。
それは、先にお伝えした「自然な演技」が求められているからです。
アニメで出すような声だと、作品に合わない、芝居を壊してしまう、全体のバランスが取れないというのがその理由だと思われます。
声が低くて悩んでいる人は吹き替えの仕事では活躍できる可能性がありますよ。
海外の連ドラならベテラン声優でなくてもチャンスがある
海外映画など海外の有名な俳優さんには特定の声優が決まっていたりすることが多いのですが、たいていはベテランや大御所声優が声を担当しています。
また、吹き替えの現場は、メインの役柄はほとんどが中堅どころやベテラン勢がやっています。子役や端役、ガヤなどで新人が入れるという感じです。
ただ、海外の連ドラなんかはその限りではありません。
アニメのお仕事ほどではありませんが、比較的若い層も多く入っていることもあります。
外画の制作会社も知っておこう
外画(映画や海外ドラマなど海外から入ってきた作品)は、日本の映画の制作会社が買い取ります。
その制作会社が声優のプロダクションに仕事のオファーをくれます。
制作会社とコネクションがあるプロダクションの方が仕事が来やすいのです。
海外ドラマや映画の制作会社「東北新社」
日本の吹き替え映画といえば「東北新社」が有名です。
今は少しずつ他の会社も増えていますが、かつては日本の海外映画は80%以上が東北新社が仲介していたと言われています。
東北新社でチャンネルもいくつか運営しています。
また現在はアニメやゲームなども制作しており、日本の制作会社としては有数の会社と言えます。
東北新社が運営する声優専門学校
東北新社が運営する声優の専門学校が「映像テクノアカデミア」です。
先にも少し触れましたが、声優科には「外画コース」があるため、外画の吹き替えの声優になりたいのであればおすすめの学校です。
映像テクノアカデミアのプロクラス
映像テクノアカデミアのメリットはもう一つあります。
映像テクノアカデミアには「プロクラス」という特別なクラスが設けられています。
このクラスは、声優事務所に所属、かつオーディションに合格することがクラス加入条件です。
プロクラスは週に1日のみのレッスンですが、内容はオーディションです。東北新社のディレクターが講師です。
講師といっても、何かを教えてくれることは少なく、基本はオーディションの審査員という立場でレッスンをします。
ココがポイント
クラスの中で良い人材がいれば、そのディレクターの作品に呼ばれ、収録に行けるのです。
私もそのクラスに1年ほど通いましたが、めちゃくちゃレベルが高いです。
マウスプロモーション以外にもたくさんの声優事務所の方がクラスにいました。
クラスメイトが話題の海外ドラマに出ているということもザラでした。
吹き替えの声優になるためのおすすめの学校
では、吹き替えの声優になるためにおすすめしたいルート、学校をご紹介します。
もちろんこのルート以外でも吹き替えの声優の仕事は来ます。
劇団に入って、吹き替えの仕事をもらうケースもありますので、よく考えて選んでくださいね。
マウスプロモーションを目指す
(1)マウスプロモーションに入る条件
まずは、外画の吹き替えの仕事がもらいやすい事務所を狙いましょう。
有名どころとしては、マウスプロモーションです。
アニメの仕事も近年は増えています。
しかし吹き替えの仕事の土台がしっかりしているので安心ですね。
ただし、マウスプロモーションの付属養成所に入る条件があります。
「専門学校、劇団等で1年以上、又はそれと同程度の基礎訓練を受けた18~27才の人」でなければなりません。
私もマウスプロモーションの入所試験を受けましたが、経験者だけの受験ということもあり、レベルが高いオーディションでした。
「初心者では入れない」のがポイントです。
つまり、どこかの声優養成所に通って経験を積み、その後受験するのが望ましいと言えます。
(2)初心者が入るには他の養成所に行く
ではどこの声優養成所に最初に行けばいいのでしょうか。
将来的に吹き替えの仕事をしたくてマウスプロモーションを目指すとしても初心者だと演技の基礎がありません。
他の養成所で最低1年勉強してから、マウスプロモーションを受けることをおすすめします。
その中でも日ナレがいいと私は思います。
(3)日ナレを選択するメリット
なぜ日ナレがいいのか、3点のメリットがあるのでご説明しますね。
日ナレがいい理由
・初心者向けで基礎から学べる
・声優事務所に所属できる可能性がある
・アニメやゲームなどに転向可能
まず、初心者は演技の基礎を勉強する必要があります。発声や滑舌、感情の表現方法など日ナレなら基礎の基礎から学ぶことができます。
そして、日ナレでのオーディションに合格することができれば、アーツビジョンやアイムエンタープライズなどの大手声優事務所に所属できます。
アーツビジョンやアイムエンタープライズはどちらかと言うと、アニメに強い事務所です。
しかし吹き替えの仕事もたくさん入ってきます。
マウスプロモーションを通さなくても吹き替えの声優にはなれるということなのです。
最後に、実際に声優養成所に行ってみて、気が変わることもありますよね。
「やっぱりアニメに進みたい!」と思ったときに、転向しやすいということがメリットです。
小さい事務所、劇団でも外画中心の仕事をもらえるところに入る
吹き替えの声優になりたいけど、マウスプロモーションには残念ながら行けなかった場合どうすればいいのでしょうか。
もちろんアニメやナレーションに転向することもOKです。
ココがポイント
まだまだ諦められないという人は、小さい事務所もしくは劇団で、かつ外画にたくさん出演している声優が所属している事務所、劇団を調べましょう。
たいてい事務所や劇団の公式サイトでは、その事務所、劇団の所属声優がどんな作品に出ているか公開されています。
サイトを見て、外画関係に多く出演している実績があれば、その事務所や劇団に所属できるように選択します。
映像テクノアカデミアのプロクラスにも通う
マウスプロモーション、小さい事務所でもそうですが、事務所に所属してすぐに吹き替えの仕事はきません。
そこで、映像テクノアカデミアのプロクラスを受験しましょう。
このクラスに入ることができれば、毎週オーディションを受けられるので、東北新社とのつながりも出来やすくなります。
もちろんオーディションなので、役がもらえないこともあります。
それでもチャンスは多い方がいいので、ぜひ受験を考えてみてください。
吹き替え声優のシステムと他のジャンルの違い
なぜ私が映像テクノアカデミアのプロクラスをおすすめするのか、その理由をご説明します。
それは、外画の吹き替え声優はアニメの声優と仕事の取り方に異なる点があるからです。
オーディションがあまりない
アニメの声優の場合、オーディションで審査してその声に合う声優さんを起用します。
もしくはこれから売り出したい声優さんですね。
しかし吹き替え声優の場合、事務所に直接オファーが来ることがほとんどです。
吹き替え声優の配役オーディションはほとんどありません。
そのため吹き替え声優になりたいという人は、事務所に所属してもチャンスが少ないのです。
大きな役は専属システム「FIX」になる可能性もあり
「FIX」というシステムが吹き替え声優には適用されることもあります。
海外の俳優さんが超売れっ子になった場合、1つの作品でその吹き替えを担当すると他の作品にその俳優さんが出演した場合に、同じ声優さんで吹き替えをします。
ジャッキー・チェンの吹き替えでおなじみの石山博也さん、アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えで有名な玄田哲章さんがそうですね。
ココがポイント
しかも、「本人公認FIX」といって、海外の俳優公認の声優さんです。
売れっ子の俳優さんの吹き替えができれば、次の別の作品の吹き替えにも出演できるということなのです。
ただし、FIXシステムの声優さんは大きな役にしか適用されません。
そのため、新人のうちは吹き替えの仕事をなるべくたくさんして、名前を売る必要があります。
吹き替えで名が売れている声優5選
先ほどご紹介したFIX声優として活躍している声優を見ていきましょう。
この方々の名前は映画をよく見る人なら1度は見たことがあるはずです。
小山力也
キーファー・サザーランドの専属声優さんは小山力也さんです。
名前を聞いてもピンとこない人は「24(トゥエンティフォー)」の主役ジャック・バウアーを演じる俳優さんと言えばわかりますね。
他にもジョージ・クルーニーなど有名な俳優さんの専属声優として活躍中です。
劇団出身の声優さんで、立命館大学法学部卒の学歴もお持ちです。
声優としてのデビューは海外ドラマ「ER」とのことです。
アニメやゲームにも出演されていますが、吹き替え声優としての仕事を主にされている声優さんです。
山寺宏一
映画「マスク」のジム・キャリーの吹き替え声優として有名な山寺宏一さん。
声優界では「七色の声を持つ男」という異名をとるほどの実力の持ち主です。
「マスク」の後、ジム・キャリーの出演作「ライアー ライアー」「トゥルーマン・ショー」「マジェスティック」「エターナル・サンシャイン」でも吹き替えをしています。
七色の声という異名のとおり、本当にいろいろな役をこなすことができる声優さんです。
地声を聴いたことはないので、おそらくですが、日本人の中では声は低めな方です。
外画の吹き替えでは黒人の俳優さんの吹き替えが多いようですね。
森川智之
森川智之さんは私が卒業した勝田声優学院の先輩です。
在学中から頭一つ、いや3つも4つもとびぬけた演技ができたという伝説が残っています。
森川智之さんは、ユアン・マクレガーの専属声優です。
「スター・ウォーズ」シリーズのオビ=ワン・ケノービ役で有名ですね。
現在は声優プロダクションアクセルワンも経営し、アニメ、ゲームにも出演するマルチな才能をお持ちです。
湯屋敦子
アンジェリーナ・ジョリーの専属声優は、湯屋敦子さんです。
「トゥームレイダー」シリーズで日本のファンが多くつきました。
でもアンジェリーナ・ジョリーは、その前の「17歳のカルテ」では、アカデミー賞助演女優賞受賞しています。
劇団昴に所属しており、女優・声優として活躍しています。
吹き替えの仕事を多くしていますが、アニメやゲームにも出演していますよ。
私がよく視る海外ドラマでもエンドロールに湯屋敦子さんの名前をよく見かけます。
戸田恵子
ジョディ・フォスターの専属声優は戸田恵子さんです。
「タクシードライバー」「告発の行方」「羊たちの沈黙」「ネル」「コンタクト」「おとなのけんか」などにも専属声優として吹き替えをしています。
戸田恵子さんと言えば、アニメにもドラマにも出演しており、大人から子供まで幅広い年齢層の視聴者に人気です。
舞台も出演しているので、「声優」と言ってもいいのかどうか疑問もありますね。
私としては、超実力派のマルチ声優さんだと思っています。
吹き替え声優になるために必要な事【まとめ】
いかがでしたか?
吹き替え声優のお仕事について少しわかりましたでしょうか。
吹き替えの声優になるには劇団に所属するという方法もありますが、一般的には外画に強い声優プロダクションに所属することを目指すほうが近道です。
そのためには、アニメの仕事以上に演技力や、しかっりとした発声が必要です。
演技力を磨いたり、発声法を自分のものにするには舞台で経験を積むのがおすすめということでしたね!
ぜひ「吹き替え声優」を目指してがんばってくださいね!応援しています!
声優を本気で目指すならこの「声優になりたい人限定の声優になる方法」の記事を読んでくださいね。
吹き替え声優になりたいのんであれば、日ナレの声優養成所もおすすめです。
今なら資料が無料て受け取れます!
パンフレットにはHPにはのっていないオーディションの事など授業のカリキュラムの事など詳しい事がのっているのでぜひ一度目を通しておくと良いでしょう。