声優になるためにはいったいどのようなことをしておけば良いのでしょうか?
いろいろな理由でまだ養成所には通えないという人のために、自宅でもできる練習方法をご紹介します。
ぜひチャレンジしてみてくださいね!
自宅でボイトレをするときの注意
自宅で毎日ボイトレをすることで、声に磨きがかかり、演技をするときの表現の幅を広げてくれることは確かです。
しかし、自宅でボイトレをするときには、注意すべき点もありますよ。
【1】無理に発声をすると喉を壊す可能性がある
大きな声をずっと出し続けることは、とても喉に負担をかけます。
例えば風邪気味で、無理に発声をし続けると、最終的に喉を壊す可能性があります。
声優にとっては、喉は商売道具ですから、無理に発声しないようにしましょう。
【2】喉が痛いときには絶対に無理をしない
風邪でもそうですが、喉を締めて発声すると喉が痛くなります。
ボイトレ教室では喉を締めずに発声する方法を教えてくれることが多いです。
しかし、自己流で発声すると喉を締めて声を出す癖がついてしまい、喉の病気になってしまうこともあります。
喉が少しでも痛いときには、発声は控えるようにしましょう。
【3】大きな声を出すならカラオケボックスに行った方がいいことも
自宅では、防音設備が整っておらず、特にアパートやマンションの場合は近所に迷惑になってしまうこともあります。
皮肉なもので、発声のコツが掴めて響く声になってくると、近所にとっては騒音になることになります。
近隣の迷惑になるような声を出すのであれば、カラオケボックスに行って発声するようにしましょう。
【STEP1】発声滑舌は基本
まずは基本となる発声からです。
発声は腹式呼吸ができていないとお腹から声を出すことが難しいので、腹式呼吸をできるようにします。
まずは腹式呼吸から
また腹式呼吸には、息を素早く吸い、お腹にためて、できるだけ長くその息で話すという役割もあります。
男性は日ごろから腹式呼吸なので問題ないのですが、女性の場合は胸式呼吸のため男性よりもより腹式呼吸を意識することが必要です。
女性でも寝ているときは腹式呼吸になっているので、最初は仰向けに寝転んでお腹に手を当ててお腹が膨らんだりへこんだりするのを感じながら以下のようにやってみましょう。
できる人は立ったままで大丈夫です。
立って行う人は、足を肩幅に開いて上から頭のてっぺんを糸で引っ張られているようなイメージでまっすぐ立ちます。
腹式呼吸の練習
1.お腹に手を当てて、鼻から3秒かけて空気を吸います。
2.3秒息を止めます。
3.口から5秒かけてゆっくり息を吐きます。
4.これを3回繰り返します。
注意点:息を吸ったときに肩が上がったらそれは胸式呼吸になっているので、肩の力を抜き、おへその下の丹田(たんでん)を膨らますイメージを持ってやりましょう。
慣れてきたら寝転んで行っている人も立ってやってみてくださいね。
その時に、お腹の前面だけではなく、側面やできれば背面も膨らますイメージで、おへそより下の腰に手を当てて膨らんでいるかどうかをチェックしながらやってみましょう。
セリフのときに腹式呼吸で言えるように練習する
腹式呼吸ができるようになれば、腹筋も結構鍛えられて、声を一定に保つことができるようになります。
つまり、楽に呼吸することができるようになるのです。
しかし、声優はセリフやナレーションをするときに、楽に呼吸できなければ意味がありません。
腹式呼吸はできるけど、普段から心がけていないと、スタジオで緊張したときには胸式呼吸になっていた、ではもったいないですよね。
ココがポイント
セリフのときにも腹式呼吸で言えるように、常にしゃべるときに意識することも大切です。
次は発声です
田舎で近所迷惑にならない人はぜひ庭に出て発声練習をしてみましょう。
声が枯れるまでやるのはおすすめできません。その前に、喉を締めないことを覚えましょう。
自宅で行う場合はバスタオルを口に当ててやってみましょう。ただ本来は声を遠くに飛ばすイメージを持ちやすい外ですることをおすすめします。
発声の練習
1.先ほどの腹式と同じ要領で鼻から息を吸います。
2.息を3秒止めます。
3.3秒たったらお腹から「あーーーーー」と息が続く限り発声します。
4.3回繰り返します。
注意点:声が枯れたらそれは喉から声が出ているということです。お腹をへこませながら声を出すイメージで吐く空気に声を自然に乗せるイメージでやりましょう。
【1】あくびの練習
声は出さなくても出してもOKです。大きく口を開けて、あくびをしてみましょう。
喉が開いているのが分かると思います。
この後の練習でも、喉が締まっている感覚があれば、一旦発声を中断して、あくびの練習を何度も繰り返しましょう。
【2】ドッグブレス
「ハッ・ハッ・ハッ・ハッ」と犬が舌を出してするように短く切って息を出します。
犬の場合は吸うときも吐くときも音をのせますが、ドッグブレスでは吐くときのみ音を少しだけのせます。
音楽用語ではスタッカートですね。
繰り返してやっていると腹筋が疲れてくるのがわかります。
ドッグブレスでも喉は大きく開いています。
【3】ハミング
次は少し音を出します。口を閉じたまま、「ンー」と音を出してみます。
どのあたりが振動していますか?
鼻濁音の発声のときには、鼻が振動します。
前歯の裏側が振動している人は、喉にひっかけて発声している可能性が高いです。
鼻の奥、上の方が振動するようにすると、音が響きます。
【4】「ひく声」を出す練習
ハミングで気づいた人もいると思いますが、空気が喉の奥に入っていくような感覚になっていることがあります。
これは「ひく声」と呼ばれます。
よく、舞台などで声を前に飛ばすイメージと言われます。
しかし、響く声の場合は、同時にひくような感覚があるのです。
前に飛ばして引く…ちょっと矛盾していますが、感覚的なものなので、自分でもいろいろ試してみましょう。
次は滑舌です
とはいってもまずは五十音からやりましょう。
五十音の練習
以下の五十音をお腹から声を出すイメージで発声します。
母音の口の形が以下のようになっているかを初めは鏡でチェックしながら行ってください。
母音が「あ」→口を大きく開けて。
母音が「い」→口を横に引っ張って。
母音が「う」→唇をすぼめて前に突き出します。
母音が「え」→「あ」の形よりも口を横に広げて。
母音が「お」→「あ」の形よりも縦長に少しだけすぼめる。
あ え い う え お あ お
か け き く け こ か こ
さ せ し す せ そ さ そ
た て ち つ て と た と
な ね に ぬ ね の な の
は へ ひ ふ へ ほ は ほ
ま め み む め も ま も
や え い ゆ え よ や よ
ら れ り る れ ろ ら ろ
わ え い う え を わ を
が げ ぎ ぐ げ ご が ご
か゜け゜き゜く゜け゜こ゜か゜こ゜(←これは「鼻濁音」です。またどこかで説明しますが、わからない人は今は飛ばしてください。)
ざ ぜ じ ず ぜ ぞ ざ ぞ
だ で ぢ づ で ど だ ど
ば べ び ぶ べ ぼ ば ぼ
ぱ ぺ ぴ ぷ ぺ ぽ ぱ ぽ
にゃ ね に にゅ ね にょ にゃ にょ
ひゃ へ ひ ひゅ へ ひょ ひゃ ひょ
びゃ べ び びゅ べ びょ びゃ びょ
みゃ め み みゅ め みょ みゃ みょ
りゃ れ り りゅ れ りょ りゃ りょ
1回一通り終わったら、この五十音を次は歯切れよく、短く切りながら発声してみましょう。
次は本格的に早口言葉で滑舌の練習をしてみましょう。
一番おすすめで定番なのがやはり「外郎売(ういろううり)」です。
「外郎売」には早口言葉も含まれており滑舌の練習だけではなく、表現力や、息を長く持たせるための練習など幅広く用いられています。
さらに詳しく
基本的には舞台役者も声優も、何回も何回も基礎トレーニングのようにこれをイヤというほどやるので丸暗記している状態です。どこの養成所でも初めに必ずやりますし、基本なので覚えておいて損はないです。
まずは自由に楽しく読んでください。
外郎売は「こんな風に読んで」「あんな風に読んで」と先生によって指導はちがいます。つまりこれが正解というものはありません。
もしここでアドバイスをするならば、ここでは滑舌の練習なので、口を意識してはっきり開けることを意識してやってみてください。
フリガナを付けています。
意味上、区切ったほうが良いところで改行しています。この改行のところでできる人は調子を変えてみましょう。
書いてある意味あいを理解すれば自然と調子が変わってくるので、何人もの人たちの前で外郎を売ろうと演説している状況のイメージを持つとやりやすいです。
右前の人に言っていたのを左前の人に向いて言うなど、実際の動きでイメージしても良いです。
ちなみに「外郎」とは簡単に言うと、口の中をさわやかにして、かつなんにでも効くとうたわれている東海道の名物の万能薬です。
【STEP2】ストレッチ⇒柔軟体操⇒筋トレ(腹筋・背筋)も日々やっておく
ストレッチや柔軟は芝居をするときにけがをしないためだけではなく、体は楽器なので柔らかく思い通り動くしなやかな体にしておくことが重要です。
文字だけだとストレッチや柔軟で間違ったやり方をすると体を痛めて危険なので、一度ジャズダンスなどの体験レッスンに行ってみることをおすすめします。
また、同じように柔軟をやっていてもこの柔軟の時はここの力を抜いてここを伸ばすなど場所を知っていなければまったく効果がなかったりもします。
そこでやり方やコツを覚えてきて自宅で練習するというのが理想です。
筋トレはなぜするのかというと、芝居には筋力が必要だからです。
特に腹筋です。腹筋がないとお腹から声を出すことが難しくなるだけではなく、演技で笑うときにうまく笑えないのです。
学校で教えてもらった普通の腹筋でも良いので日々続けることが大切です。
ちなみに完全に上半身が起き上がらなくても、途中まででも大丈夫です。
その途中まで起き上がる腹筋の方法で、右斜め前と左斜め前にも、最初はご自分のできる範囲でいいのでやってみましょう。
斜めは脇腹の筋肉を鍛えます。
腹式呼吸でご説明したように前だけではなく横の筋肉も膨らませましたよね?
側面の筋肉も、もっと言えば背筋も使うのが正しいやり方です。
【STEP3】自分はどんな声なのか普段どんなしゃべり方をしているのかをチェック
自分が聞いている自分の声と、人が聞いている自分の声は違うという話はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
一度普段話している声を録音して聴いてみましょう。
声だけではなく「自分は普段こんなしゃべり方をしているのか」と驚くはずです。
ココがポイント
なんとなくプロの人たちがしゃべっているテレビから聞こえてくるような声と違って、のっぺりしていて頼りないような弱々しい感じに聞こえたら、それはここまでご紹介した基本的なトレーニングが足りないからなので、しっかり基礎トレーニングを積みましょうね!
【STEP4】新聞を音読する
新聞を音読します。新聞は難しい感じが多くて、読み仮名も書いていない部分が多いですし、学生さんにとっては意味がわからない言葉も多くあるかと思います。
一つ一つ調べるなり親御さんに教えてもらいながらやるのも良いでしょう。
大変なら社説や新聞各紙の1面の一番下の1列にある、朝日新聞で言うところの「天声人語」の部分を読むだけでも勉強になります。
声優のお仕事はアニメだけではなく、ニュース番組のナレーションもあり、そういったものは生ナレーションだったり、放送直前の慌ただしい中収録することになるので、日ごろから世の中の動向を知っておくことはムダにはなりません。
【STEP5】初見読みに挑戦してみよう!
お仕事では初見読みに近い状態で読むこともあるので、初見読みに慣れておきましょう。
お持ちの本でも学校の教科書でも良いので、声に出していきなり読みます。
新聞だと学生さんには漢字の読み方で止まってしまうので、読みやすそうなものがおすすめです。
【STEP6】ラジオCMやテレビCMに挑戦!
- ラジオCMやテレビCMを録音します。
- 原稿に書き起こします。
- それを読んで録音します。
- 聴きます。
- 実際のプロのナレーションと違いどこが違っているのか考えます。
- プロのナレーションを真似して読み録音します。
- 聴きます。
- どこが違うか考えます。
- 今度は、プロのナレーションを聴いた上で、自分ならどう読むだろうかと考えます。
- それで録音します。
- 聴きます。
- 自分の思い描いたように読めているか検証します。
- イメージ通りにできていなければ、また録りなおします。
- 聴きます
- イメージ通りにできるまで繰り返します。
【STEP7】有名な戯曲や好きな劇団の台本を読んでみる
図書館に行けば有名な戯曲がたくさん置いてあるので是非かりて実際に声に出して読んでみてください。
ただ正直難しくて読む気がしないというか、例えばシェイクスピアとかだと言い回しがしっくりこないだとかあまり合わないなぁということってあると思います。
そういう方は、劇団の台本を手に入れて読んでみるのがおすすめです。好きな劇団があれば好きな劇団だと読んでいて楽しいですよ。
学生さんに人気がある劇団でおすすめの脚本といえば、「演劇集団キャラメルボックス」でしょう。
声優を目指している人は学生演劇をしている人が多いのでご存知の方も多いと思いますが、成井豊さんが書かれている脚本は学校演劇だけではなく、声優養成所でも好きな台本を持ってくるようなレッスンのときによく選ばれたりします。
学生さんの舞台ではよく「広くてすてきな宇宙じゃないか」が選ばれますが、皆さんの年齢的には「夏休み語辞典」がキャラクター的にもやりやすいと思います。
【STEP8】テレビから流れてくるものはすべて教材
テレビをなんとなく見ないようにしましょう。
アニメ番組もバラエティー番組もワイドショーもドキュメンタリー番組も番宣もCMも、ほとんどの番組に声優が起用されています。そういったものは無料で聴けるお手本です。
教材にしない手はありません。
また、ナレーションにもその時代その時代で流行りがあるので(例えばDJ読みが流行っているとか、ナチュラル読みが流行っているとか)今はどんな読み方が流行っているのかも意識してみてみましょう。
【STEP9】今の時代アフレコの練習は必要である
昔はよく「アフレコの練習なんかするよりも、まずは基本や芝居ができていなければダメだ!」という風潮だったのですが、現在は専門学校でアフレコをみっちりやってきている人や、養成所でも実際のスタジオを使用したアフレコのレッスンをしているところが多いので、こんなことを言っていたらおいて行かれます。
実際基本や芝居ができていなければお話にならないのですが、アフレコ慣れしていないと自分の芝居もできないのではないかと考えるからです。
一人ではなかなか難しいかと思うので、仲間を募ってやってみてはいかがでしょうか?
【STEP10】練習をするうえで持っておくと便利な物
〈ストップウォッチ〉
CMナレーションの練習に役立つのがストップウォッチです。
CMは秒数が限られているのでその中に必ずおさめなければならないので、この秒数内に読むということが大切になってきます。
たいていの場合、限りある秒数にありったけの情報を入れたいというのが、やはり広告をうつ側の気持ちなので、秒数がぎりぎりになるものが多いです。
そんなときに早口になっていることがわからないように、でも実際は早くしゃべっているというテクニックが必要になってきます。
そういうことを考えながらストップウォッチを使って練習してみてください。
〈アクセント辞典の入った電子辞書〉
アクセント辞典の入った電子辞書は、現在はカシオとシャープのメーカーの電子辞書のみです。
できれば、読めない漢字を調べるときにタッチペンで書いて調べられるものだと、読み方が検討もつかないようなときに便利です。
実際に現場に出るようになったときにも持ち歩けるのでおすすめです。
ただし、電子辞典はスタジオでは音声を聴けるかはわかりません。
そこで、アクセント辞典の記号も読めるようにしておく必要もあります。
アクセント記号も辞書によって異なる場合もあるため、自分に合ったものを購入しましょう。
声優養成所に入ってから指定されることもありますよ。
声優に普段必要な声は大きな声ではない
【1】大きな声=響く声ではない
声優にとって、声は命です。ただ闇雲に大きな声を出すだけでは表現とは言えません。
ココがポイント
地声を大きくするのではなく、「響く声」にする方が重要です。
大きな声=響く声ではないことも理解してください。
囁く演技(ウィスパーといいます)で、声が小さくても響く声が出せれば、スタジオで困ることはありません。
もちろん、必殺技を叫ぶシーンでは大きな響く声を出すこともあります。
【2】楽に声を出す方が響く
響く声を出すには、体を楽器にして、共鳴させる必要があります。
体がガチガチに固まっていると、響きにくい声になってしまいます。
肩の力を抜いて、楽に声を出す方が響く声が出ます。
毎日の練習で、いろいろ試してみてくださいね。
ボイスレコーダーで録音して聴き直してみると違いが良くわかりますよ。
【3】表現の幅を広げるためのボイトレ
声優のボイトレの目的は大きな声や響く声を出すことではありません。
あくまでも演技をする中での表現の幅を広げるためです。
大きな声、小さな声どちらも響く声を手に入れることが出来れば、セリフの表現も広がります。
自由自在に声を操れる声のプロを目指しましょう。
声優の専門学校ヒューマンアカデミーに通うのがオススメ!
自宅で発声練習を積むのもいいですが、声優の専門学校ヒューマンアカデミーに通うのがオススメです!
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まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介したことは日々の積み重ねがものを言います。
練習しない人は上達しません。逆に言えば努力をすれば必ず伸びていきます。
ココがポイント
やはり、毎日毎日練習していた人が養成所から預かりへ、預かりから正式な所属へと上がっていっているので、口を酸っぱくして言いますが本当に練習は大切なのです。
是非頑張ってください!応援しています!